もう一度君に会えたなら

 わたしは携帯をじっと見ると、ため息を吐いた。
 榮子は苦笑いを浮かべていた。

「別にただのクラスメイトでしょう。何を気にしているの?」
「それは分かっているよ。そう思ってはいるけど」

 彼とその女の子が一緒にいるのを見て二日が経過した。彼と毎日メールはしているが、肝心なことは聞けないままだ。

「彼女なのに何を不安になっているんだか」
「そうなんだけどさ、何かよく見えないんだよね。気持ちとか、考えていることとか」
「それはまだ相手を知らないからでしょう。もっといろいろ聞けばいいんだよ」

「それでもつかみどころがない感じがするの。学校が違えばどうやってお互いを知っていけばいいんだろうね」
「それは時間が解決してくれるんじゃないかな。試験が終われば一緒に遊びに行くでしょう。そうしたことを繰り返せばきっと分かり合えるよ」

「そうだよね」

 わたしはやっと表情を緩ませた。

「榮子って何かお母さんみたいだね」
「まあ、確かに唯香は放っておけないけどね。本当のお母さんが嫉妬するよ」

 彼女はくすっと笑った。