もう一度君に会えたなら

 わたしの声はすっとかき消された。彼に駆け寄っていく別の女の子の姿を見たためだ。その子はあのお店からわたしたちを見ていた子だった。

 彼は驚いたような反応を示したが、すぐに笑顔になった。
 二人が顔見知りであることは想像しえたが、わたしの心は痛んだ。
 友人なのだろうか。

 わたしもクラスの男子と会話をすることがあるにも関わらず、その二人の間に割り込めなかった。そのため、来た道をそっと戻ることにした。