「榮子の初恋っていつ?」
「小学校三年かな」
「その人とは会ってる?」
「全然。告白もしなかったし、そのままだよ」
彼女は肩をすくめた。
「じゃあ、唯香の初恋はいつ?」
「わたしは」
まだと言いかけて、言葉を噤んだ。今までなら自信満々に「まだだ」と言えたのに、今はそう言えない。なぜなら、わたしはあの人のことを恐らく好きだからだ。
榮子はわたしの心を見透かしたかのように目を細めた。
「今なんだね。いいんじゃない? 初恋の相手と結ばれるなんて」
「でも、向こうはわたしのことを意識していないと思う」
確かに妙な共通点はあるし、話はするようになった。そのおかげで彼にこうして会える。だが、彼がわたしを女としてみているとは思えなかった。
「それは川本さんにしかわからないけど、少し前のメールも送れない、また会えないという状態に比べたら前進したと思うよ。もっとも向こうの気持ちを考えずに暴走しないようにね」
「分かっている」
わたしは苦笑いを浮かべた。
「小学校三年かな」
「その人とは会ってる?」
「全然。告白もしなかったし、そのままだよ」
彼女は肩をすくめた。
「じゃあ、唯香の初恋はいつ?」
「わたしは」
まだと言いかけて、言葉を噤んだ。今までなら自信満々に「まだだ」と言えたのに、今はそう言えない。なぜなら、わたしはあの人のことを恐らく好きだからだ。
榮子はわたしの心を見透かしたかのように目を細めた。
「今なんだね。いいんじゃない? 初恋の相手と結ばれるなんて」
「でも、向こうはわたしのことを意識していないと思う」
確かに妙な共通点はあるし、話はするようになった。そのおかげで彼にこうして会える。だが、彼がわたしを女としてみているとは思えなかった。
「それは川本さんにしかわからないけど、少し前のメールも送れない、また会えないという状態に比べたら前進したと思うよ。もっとも向こうの気持ちを考えずに暴走しないようにね」
「分かっている」
わたしは苦笑いを浮かべた。



