もう一度君に会えたなら

 本を閉じたとき、わたしの携帯にメールが届いた。榮子からだろう。そう油断してメールを確認したわたしの心臓は一気に高鳴った。送信者は川本さんだったのだ。

 君はその二人のことが気になる? 調べたいと思っている?

 わたしはすぐに返事を送った。もちろん、「はい」だ。
 一分ほどで川本さんからメールが届いた。

 俺もなんだ。よかったらだけど、二人でその大姫と義高のことを調べてみない? あまりに資料がないから、二人で一緒に調べたほうがはかどると思う。

 わたしは自分の顔がにやけるのがわかった。デートとは違うと分かっていた。何かの共同作業に過ぎないと。それでも彼に会う理由ができたことはわたしにとって大きな進展だった。

 わたしもそうしたいです。お願いします。

 わたしはそう返信した。

 その後、何度かやり取りをして、明後日二人で図書館に行き、もう一度調べてみようということになった。その日はバイトも休みで、学校も早く終わるらしい。