恋人はご主人様




もう寒いし、自転車嫌なのかな…。


「絢菜、さん…?」

「樹乃…」


無言で寄って来る絢菜さん。

え、何ですか…?


「樹乃…あなたは、誰のモノ?」

「え…?」

「あなたは、私のモノでしょう!
 なのに何で他人といるの!」

「…」


絢菜さんがおかしい…。

あ、いや…いつもおかしいけど。

今日は、いつもの落ち着きがない。

あ…そうか。

透き通った瞳がゆらゆら揺れる。

前に執事さんに聞いたけど、絢菜さんは1人が嫌いなんだっけ。

一見完璧で、1人で何でもしてしまう人。

けど本当は1人が嫌いな寂しがり屋な人だったんだ…。