『本日は〇〇大学理学部教授の〇〇さんに来ていただいております。早速ですが、この隕石についてどうお考えですか?』

『このサイズの隕石がこの日本に落ちるということ自体が非常に珍しいことです。落ちたのがたまたま山だったので良かったですが、数キロ先には住宅街もありますので、被害が出なかったのは非常にラッキーだった、と言えるでしょう』

いつの間にやら中継は終わって、今度はどこかの大学の先生が話をしている。これだけならいつものニュースでもよくある光景だけど、議題が隕石となると途端に胡散臭く感じてしまうのは私だけだろうか。

朝食のパンを齧りつつ、引き続きニュースを眺める。これがゴールデンタイムに流れているならバラエティだけれど、時刻は午前七時。わざわざ忙しい朝の時間にやるくらい、確かに起こった事件なのだ。そのくらい平和な世の中、と言えるのかもしれないけれど。

隕石が落ちたのは昨夜、と言っていたか。何かあっただろうかと記憶を巡らせて、一つだけ思い当たった。

確か、寝る直前だっただろうか、ドシン、という地響きと同時に、突き上げるような揺れを感じたのだ。それだけでおさまったし、小さい地震かと特に気にしないで寝てしまったのだけれど、あれが隕石が落ちた瞬間だったのだろうか。