さっきも言ったけど、竜也さんはずっとニコニコしてたから、初めて会ったときは話しやすいと思ったけど、暫くは何か怖くてちょっとだけ避けてた。
隆友さんは会ったときからずっと同じように接してきたから、逆に話しやすかった。
竜也さんとは何かわだかまり?みたいのが無くなったかのようにすっと突然仲良くなれたの。
さっきみたいな言い争いもよくやってる。ため口になったのもいつの間にか……って感じ。
でも、隆友さんには未だに敬語で話してる。
何でか分からないけど、自然とそうなってるんだよね…。
竜也さんが素を見せてくれるようになったのに対して、隆友さんには最近一定の距離を置かれてる気がする。
わたしも今までは抱きついて、抱きしめてもらうの心地良い――――ってくらいにしか思ってなかったけど、さっきのはちょっとドキドキしちゃった。
最近のわたし、何か変……?
「……ん……リンリン!」
「へ?」
急に呼ばれたから変な声出ちゃった。
「何変な声出してるの?(笑)
もう、帰る時間だよ。」
「そうなのか?」
「あ、うん。そうだね、帰る。」
考え込んでいるうちに時計は出発の時刻をさしていた。
「また来るとき連絡しますね!」
「あぁ、気をつけて帰れよ」
「はーい!」
2人に手を振ってエレベーターに乗り込み、その日はモヤモヤした気持ちのまま帰宅した。

