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 「秋夜さん」

 「あ?」 

 「本当にこんなちっぽけな町に居るんですか?」


 「あぁ」

 「僕は何も感じませんけどね」

 「俺には分るよ。アイツの力が。アイツは確かにここに居る」

 「本当ですか〜?」

 「さっきからうるせぇな、拓海(たくみ)は。少しは黙れ」

 「でも、これで何軒目ですか?覚えている数では100は行きましたよ?」

 「次こそ確信がある。この力は、アイツしかないものだから…」


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 「この前ね〜、家族旅行したんだ!」

 「アタシのとこは遊園地行ったよ!」

 「え〜、いいなぁ!!」
   
 たまに出る、家族自慢

  聞くのは好きだし、嫌いじゃない

 でも

 「唄花(うたか)は?」

 「…ちょっと、唄花には両親居ないんだよっ」

 「え!?ごめんね…」


 話を振られると困る


私には両親がいない

 いつからだなんて分からない

 ただ、物心ついたぐらいから私は施設にいた