ただ、志保はまりえのお遊びに付き合っていられないほど芳樹が好きだった。 ―もし、まりえちゃんがしたたかでなければ、私の人生は違っていたかもしれない。 もちろん、芳樹さんを振り向かせる事ができなかったのは自分だけどね― 無駄な時間を過ごした。 つまらない生活がまた始まる。 バスに乗って、混雑する電車に揺られ、職場まで歩き、仕事をして、家に帰って、一日を終える。 ―もう芳樹さんと会うことはないだろう。 彼にとって、しょせん私などそれだけの存在だったのよ―