「岩橋くん!今日、部活OFFだって!」

キツイ朝練のあった今日。

なんと、久しぶりの部活OFF。

岩橋くんに伝えると、岩橋くんの顔はパァっと…………んんん?

なんか、どんより?

「まじかぁ。楽しみにしてたのに。」

「え!?」

「俺、自主練してくる。」

岩橋くんはそう言って職員室にかけていく。

ポカン……。

え、っと。

あんなキツイ練習が楽しいってこと?

それは、すごい。

うん。

なんだか変な人。

私は、足を部室の方へ向けた。



「岩橋くん!あと、6本!」

バッティング練習。

これが終われば帰れる。

私も岩橋くんの自主練をお手伝いすることにしたんだ。

「よし!おわりだよ!」

私がそう言うと、

「う、ん、ありがと。」

と、汗を流して答えた。

しんどそう。

大丈夫かな……。

「ごめ、俺────。」

かすかに岩橋くんの声がした。

え?

岩橋くんは、そのままヨロヨロとこちらに倒れてくる。

ズシッとした重さ。

「い、岩橋くん!?」

「ごめん、ちょっと部室まで肩貸して。」

「うん……。」

肩を大きく乱し、息をする岩橋くん。

やっぱり頑張りすぎなんじゃ……。



部室に到着すると、

私と岩橋くんは男部屋と女部屋でわかれた。

体操服から制服に着替える。

でも、あんなにキツい練習してたら倒れちゃうよね。

着替え終わり、女部屋の鍵をしめる。

同時に岩橋くんもでてきた。

「岩橋くん?大丈夫?」

「うん、ごめんな。」

さっきよりかは顔色もよく、いきいきとしていた。

ホッ。

良かった。

「暗いから送る。」

岩橋くんが、そういった。

へ?

えええ?