誘う幻想 ノーカウント37

銃を私に向ける。私は撃たれて死ぬだろう。

けど、最後に


「あー!」

大声を出して動きを止めるつもりだった。あいつはびっくりして空から落ちる。弾は私に当たらなかった。
落ちたあいつの側に駆け寄り棒を奪う。

「これで殴ってもらえば……」

まさか、ここまで生きていられるとは……

「美貴さんはどこにいますか?」

「ついてきて!」

「まて!」

おそらく、落ちた後だから追いかけることはできない。
念のため後ろに気をつけながら走る。

「ここよ」

小さな家に着いた。