窓の外は晴れ





富「…美織は売名に利用する為に円衣裕太に近づいたんじゃない
二人は交際していたし、互いに大切に思っていた。
円衣裕太に訊けばわかる…!!」




富田が私を庇いA社の社長に言った




本「いや、嘘だ。瑞乃美織は演技をしていた…
裕太は否定する瑞乃美織を信じなかった…。裕太は常に何処かで、そんな気がしてたと思ったからじゃないか?」




本田は富田と私を見ながら言った
「そんな…」私の小さな声は誰にも届く事無く被せられた




B「お言葉ですが、美織は円衣裕太に並ぶくらいの大人気女優だったんですよ?
売名行為なんてしなくても、充分やっていけていた。
何故今更、売名行為なんて?そう思いませんか?」



言ったのはB社の社長だ




本「…何を今更、この佐々木という男は、私と裕太の目の前でバカにするかのように、売名行為だった。と言ったんだ!
瑞乃美織の否定する姿を良い演技だと言い、まさか円衣裕太が。と馬鹿にした
名誉棄損でもおかしくはなかったぞ!」




本田は身を乗り出して訴える


もう…嫌だ。……
私が本気で裕太の事が好きだったなんて誰も信じない

いくら言っても、もう自分を守る為の言葉にしか聞こえない…




その時、佐々木が土下座をした
全員の視線が佐々木に集まる





佐「…申し訳ありませんでした。
売名行為をしろと提案したのも、美織に押し付けたのも私です…

美織は断ったし…直前まで否定していたのに、私が悪者になりたくなくて…美織が全部、演技したように仕向けたんです。

美織は本当に、嘘一つ無く、円衣裕太と純粋に交際していました。全て私がやった事です…
申し訳ありませんでした。」






佐々木は床に額を押し当て、声を張って謝罪をした

その土下座に、A社の社長も本田も何も言う事は出来なかった