私の発狂する声で、富田と佐々木は寝室に駆け込んできた
白目を向きながら頭を掻き毟る私を見て佐々木は一瞬、ひるんだ
富田は私を抱き締めるようにして押さえつけると、佐々木も我に返り富田のように私を押さえつけた
富「落ち着け美織…今お前がやるべき事はそんな事じゃない!円衣裕太の無事を祈る事だろう!!」
美「嫌あぁぁぁ!嫌嫌嫌だあぁ!!
離してー離して!!!!やめてー!!!!」
自分を忘れ暴れ回る私の頬を、富田は思い切り拳で殴った。
あまりの力に吹っ飛んだ私は勢いで壁に頭を打つ
私は強打した部分を抑えながら痛みにのたうち回る…
佐「と、富田社長…?!」
佐々木が目を丸くしているのをお構い無しに、富田は私に近づくと私を立たせた
立ち上がった私の頭からは、血が垂れて両眼の間を伝ってほっぺに流れ、顎から滴り落ちる程の出血だった。
富「…しっかりしろ。円衣裕太は死なない、絶対に死なない!!」
今まで聞いた事の無い程の大声で怒鳴られた。
強打し出血した部分がドクンドクンと波打っている
鼓動が感じる…
涙が溢れてきて、血と混じって顎から滴り落ちた
震える唇を思い切り噛み締めた
美「…う…く…
あぁぁぁぁあぁあぁぁ!!!
うわあぁぁぁぁあぁあぁん!!!!」
私は声が枯れるまで、産まれたての赤子の様に声をあげて泣き続けた
止血もしないまま泣き続けたせいか、血が足りなくなった私は気絶したように眠りについた
私が寝てからやっと佐々木が頭に包帯をまいて止血をしてくれた
富「…寝てても…泣くのか?」
眠りについた私は、眠りながらも涙を流し続けた。
富田の悲しそうな声は誰に届くでも無く、宙に浮いて消えた

