富「…君の言う通りだな。今ここでスキャンダル沙汰になるのはまずい。円衣裕太も暫く面会謝絶ならここに居るだけ無駄か…」
力が入らずに一人では立っている事さえ出来ずに、紗保さんに支えられている私を、富田は紗保さんから受け取り肩を貸してくれた
富「こんなところで申し訳なかったな」
富田は私を連れて帰ろうとした
紗「待って!瑞乃さん…これ私の連絡先だから。絶対に連絡して」
紗保さんはポーチから名刺を取り出すと私のアウターのポケットに無理やり詰め込んだ
紗「絶対に連絡してね……」
もう私は、頷く事さえ出来なかった
紗保さんと本田の視線を感じながら、私は富田に連れられX病院を後にした。
車の中では、富田が佐々木に連絡を入れていた。
ホテルに戻った私達よりも先に佐々木は来ていてフロントで待っていた
佐「富田社長!……美織!」
富「とりあえず横にさせた方が良い、俺の部屋で休ませる。お前も来い」
佐「はい」
佐々木も私を運ぶのを手伝った
65階の富田の部屋につくと、私はベットに寝かされた
怖くて不安で震えながら身体を丸めた
丸めた身体を自分で抱きしめた
怖い…怖い…怖い…怖い…
裕太が病院で生死をさまよっているのに私は何故ここにいるの?
怖い…嫌だ………嫌だ…嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!
美「嫌あぁぁあぁあぁ!!!!」
私は勢い良く起き上がると頭を掻き毟った

