本田はきつく私を睨むと声を張って言った
本「帰ってください!!」
すると私を抱きしめていた紗保さんが本田さんに向かって言った
紗「こんな時に…何言ってんのよ
こんなとこでウダウダ言ってないで、はやく裕太のところに…」
本「裕太は今、手術中だ!
行ったって中には入れないし、当分会えない…瑞乃さん、本当にもう帰ってもらえませんか?
もう直ぐここは、記者達にバレるでしょう。そしたらここには沢山のカメラが来る…その時にあなたが居たら、絶好のネタですよ?わかりませんか?
円衣裕太とはもう別れた…そう報道した意味がなくなる。今度ばっかりは、富田さんの威圧だって無意味な事だ」
本田さんはチラっと富田を見た
本「それに…刺した犯人が言っていたそうです。
瑞乃美織と浮気したから刺した…って。
裕太が刺されたのは、あなたのせいですよ!!」
紗「待ってよ
悪いのは犯人でしょ!なんで瑞乃さんだけのせいになるのよ! 本田さん落ち着いてよ!!!!」
紗保さんはフォローに入ってくれたが、本田のその言葉は、私の心に抜ける事の無いくらい深く、深くに刺さった
本「…それに、裕太を騙していた癖に今更なんの用ですか?あなたがここに居る事自体…おかしな話なんですよ…」
本田は肩で息をしながら興奮したように言った。
本田は、勿論の事だが私のした事を許してなどいなかった。
本「富田さんも…お帰りいただけますか。瑞乃美織の肩を持つのは勝手ですが…裕太に近づこうというのならこっちも社長が出てきますよ…。
あなたくらいの人間ならわかってる筈だ…」
富田は何も言わずに腕を組んだ

