窓の外は晴れ





がたがたと震える手足…
富田は肩を抱いて優しく摩ってくれた




美「裕太が……裕太が…」



富「行ってやれ…今、車用意するから!」



美「…で…でも何処の病院かもわからないし…それに…私なんかが行っても…」





鼓動が高くなる、速くなる、激しくなる…
息が上がる、苦しくなる
手も、足も、心臓も震えた

富田は何処かに電話をかけると私をゆっくりと立たせる




富「病院わかったよ。車も用意した。美織、行くぞ!!」




だけど震える私の足は進まない




富「美織」



美「行けない…!だって…
だって私のせいなの…裕太が刺されたの…私の…」



富「いいから!」





富田は、私の手を無理やり引くと部屋を飛び出しエレベーターに乗り込んだ。

肩を抱いたまま、小声で何度も何度も大丈夫と繰り返していた。車に乗り込むと運転手は、行き先も聞かずに走り出した


富田は車の中でもずっと私の肩を抱いていた。
私は両手で、蝶のネックレスを握り締め、初めて神様に祈った

どうか裕太が無事で居ますように
…お願いだから裕太を連れていかないでください……。

目を瞑り何度も何度も祈った