暫くの沈黙が続いた




美「…でも、富田さんはそれで後悔しなかった?」




富田は自傷的に笑った





富「後悔しかしてないよ」




私も笑った

とても悲しい夜だった。







晩酌を終え後片付けを終えた時、富田がシャワールームから出てきた




美「サッパリした?」



富「あぁ…美織も入ってきな」



美「うん、そうするね」





シャワールームに行こうとした時だった…
私は生まれて初めて、自分の耳と目を疑った


付けっぱなしだったテレビからはバラエティ番組の愉快な雰囲気が一変、緊急ニュースへと切り替わった

私は思わず足を止め、富田もテレビに視線を移す





『番組の途中ですが…
ただ今入ってきたニュースです。
大人気俳優として知られる円衣裕太さん(24)が、移動中、ファンと見られる女性に鋭利な刃物で背中を刺され病院へ搬送されました。容態は重症との事です…
犯人の女性は容疑を認めており、犯行理由については「浮気をしたから」と答えており……』






目の前が真っ暗になった




富「これって………美織…」




私はその瞬間、立っている事が出来ずにその場に座り込んだ



富「美織!しっかりしろ」