「この黒いの何?」

『炭入りのガトーショコラ』

「そんな顔しねぇの。可愛いな」

『……………』

「美味いじゃん。また俺にも教えて?」

『やだ』

「何で?」

『煌暉くんの方が上手だもん』

「ハハッ いつもは勝てねぇからな。一つぐらいは勝てねぇと」

『……………』

「やっぱいいな。甘タメ語」

『?』

「最良の日。忘れないよ」

『うん。私も…』




微笑みを向けてくれる紫音。




だけど…


その紫音を覆い出していた小さな異変には…




俺はまだ…はっきりとは確信していなかった……