愛しくて…愛しくて…… "二人の軌跡と奇跡" それを綴った二つの音が、心にも響き渡り…溶け入る。 「ちょっとだけ……暴走してもいい?」 後ろから抱きしめたままの格好で、横から首筋に赤い花びらを咲かせた。 俺に向き直ってもらうため、その身体を半回転させて… 童話に出てくる王子がすること。 俺は紫音の足元に膝をつき、紫音の左手を持ち上げた。 そしてその薬指へと唇を寄せ、そこにも淡い色の花びらを咲かせた。