「一先輩お誕生日おめでとうございます」

「サンキュ。
でもごめんな。それは受け取れない」

「どうしてもダメですか?」

「ん。気持ちだけ貰う。ありがとな」



私の耳へ届いてきた、煌暉くんへのお祝いの言葉。


内部進学をした私は、先週から高等部の生徒になっていた。

煌暉くんと同じになった昇降口で、登校後にそこの下駄箱の向こう側から聞こえてくる会話に、



(受け取らないって……本当だったんだ…)



以前に碧が言っていたことを思い出した。