『え~?なぁに?』



俺のその行動に、キョトンとした紫音だけど……


俺は黙ったまま、その場から離れた。


それでも、



「今はダメよ!」



その俺達へ後ろからかけられた言葉。



(何でそっちにしか考えねぇの……)



そんな思いを抱えたけど、

それが当たり前の感想なのかもしれない……と思い、溜息が胸の内に広がった。



**



──15分後


俺が一人でリビングへ戻ると……



「あれ?もう済んだの?」

「早くない?」

「寝た」

「うわっ。即イキかよ」

「お前も"まだまだ"だな」

「"彼氏"が未熟だと、"彼女"は可哀想~」

「違ぇし。……眠ったんだよ」

「「は?」」

「だから、俺のベッドで眠ってんの」

「「………………」」

「………………」





「「お前………本当によく堪えれるな」」



少しの間のあと、二度めとなる憐れみの言葉が届けられた。







二人だけになった直後に……



『暑い……』



と言った紫音が服を脱ぎ出して……




俺を押し倒し、濃厚なキスを交わしたことは……




数時間後に目覚めた紫音が……何も覚えていなかったから、


それは……



俺だけのヒミツ。