「ほんとは、送ってきた時に渡したかったけど……」



俺はそう言って、小さなブーケを紫音へ差し出した。




赤いチューリップのミニブーケ。




それを見た紫音が、



『可愛い。貰ってもいいんですか?』

「ん。早いけど、ホワイトデー」

『え?でも、今日……』

「それも、ちゃんとやるよ。紫音が食べ尽くすとこ見たいし」

『……………』

「また、眉間…」



俺は微笑みながら、先月と同じようにその部分へキスをして、そのまま唇にも触れた。