そのあと何度かついばむように触れていた煌暉くんの唇がだんだんと下へ移っていく。
私の背中から頭の後ろに移動されていた手も少し下がって、それは首の後ろ辺りで再度固定された。それと同時に首に移っていた唇が、マフラーの隙間越しからそこに小さな痛みを走らせてきた。

「“あとで”って言ったろ。これは有言実行その二。で、有言実行その一。“覚えてろよ”の分」

私にそう囁いた煌暉くんは、痛みを作った首から唇を少し移動させて、もう一度違う場所にその痛みを走らせた。

ちょうど鎖骨の下辺りに……

いつの間にかゆるめられていたマフラーをクイッと下にずらして、“音”のモチーフが光るすぐ横にそれを落とした。


「“花つながり”。二つ増えたな」


そう言ってからもう一度その唇を私の唇に重ねた。



「愛してるよ…紫音。誕生日おめでとう」



その囁きも一緒に……