煌暉くんが私の顔を覗き込むようにして、優しく頬に手を添えた。

『だって……』
「ん。だから店ではこれは渡せなかった。星の話をしたあとの、プレゼントのモチーフの本当の意味はわかってくれてたんだろ?泣きそうな顔してたし……
そこでこれまで渡したら紫音は場所に関係なく泣くかなって……それを他のヤツに見せてやれるほど、俺の独占欲は甘くねぇよ。

今は誰も見てねぇし、いねぇから……抱きしめていい?つか抱きしめるけど」

煌暉くんはその言葉を言い終わる前に、私をすっぼりとその胸の中に納めた。


"幸せすぎておかしくなりそう……"


私は手のひらに収まる“花”をそっとその両手に包み込んで、顔を動かして煌暉くんを見上げようとしたら、ちゃんとそれに気づいてくれた煌暉くんが私を見下ろしてきた。

ここでいつもなら煌暉くんがしてくれるであろうことを、私はそれを待つことなく不意打ちした。

自分の唇を煌暉くんのそれへと重ね、自らその重なりも深める。

煌暉くんはそんな私に少し驚いたみたいだけど、それでもその重なりに応じてくれた。