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俺は空港に着き、国際線の到着ロビーでその姿が現れるのを待っていた。

早く会いたいと思う気持ちが、何度も到着を知らせるパネルを確認させるけど、そんなことをしても早まるはずのないことに苦笑がもれる。


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彼女の事情を聞いた翌日、彼女に会いに行った日を含めて、翌々日まで彼女の母親の実家で、七聖と一緒に俺まで世話になった。

急な来訪だったにもかかわらず、驚くこともなく快く迎え入れてくれた彼女の曾祖父母。それどころか、七聖ならいざ知らず、初対面の俺にまで初対面とは思えないぐらいの歓迎ぶりで、二人の温厚な性格さゆえか、その姿勢は訪問の間中崩れることはなかった。

だから七聖に、あらかじめ二人に話をしていたのかと聞いてみれば、

“わざわざしないよ”

と言われて、さらに俺を驚かせたのは言うまでもなかった。