『どの場所も楽しかったですけど……プラネタリウムかな。
普段は街の光に隠れて見え届かないその輝きも、本当はちゃんとその自身を輝かせていて、……それに切なくはなりましたけど…」
『やっぱ紫音にとって“星”は特別なんだな。その中でも特に“金星”は」
『え?』
「違った?」
『…………合ってます…けど……』

煌暉くんが出した一星の名前に私は驚いた。
今まで私が煌暉くんに星の話をしたことがなかった上に、その固有名詞まで言い当てられるなんて……

「前に母さんが紫音のモデルの名前の説明をした時があったろ。そん時にピンときたことが、俺の中に前からあったものとつながったんだ。
紫音を見つけた二つの場所での紫音。
金星はやっぱり“お母さん”なんだな。って」


"どうして煌暉くんにはわかるんだろう……
もしかして、私がその一星にこだわる理由も?"


「美星(みほし)。美しい星。ヴィーナス。金星」

『!!』

「まぁ…初めにつながるきっかけをくれたのは、お母さんの名前をあの時に言ってた七聖なんだけど……
だから紫音とお母さんは“星つながり”。なんかいいな。そういうの」

そう話してくれた煌暉くんの表情は本当に優しくて、私に何とも言えない感情を届けてくる。