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「紫音……何て格好してんだよ。いつもそんな感じとか?」

やっと紫音を目の前にして、あの場でいてもたってもいられなかった俺の胸中に思っていたことを、俺は勢いよく吐き出した。

「いや…似合ってるけどさ……俺の前だけにしてくんねぇと、心配なんだけど……」

そんな俺の心情も伝えてみるけど、

『?』

やっぱり紫音は首を傾げてきて……

『心配?ですか?』

なんて、いつもとは違う瞳の色で俺を見つめてくる。

「……紫音…お願いしていい?」
『何ですか?』
「それ……カラコン外して?」
『?』
「紫音だけど……紫音なんだけど、紫音の目が見たい」

俺のお願いに紫音の頬が少し色づいて……

『ちょっと待ってて下さい』

口元に笑みを作ってそう言ったあと、部屋の奥へと姿を消した。
そしてすぐにそこから出てきた紫音は、俺が好きな紫音の瞳の色…いつものグレーアイズに戻っていた。