そして胸ぐらを掴むと、
「………一緒に住んでんのも、お前がかおるのこと好きなのも否定しない。だけど、かおるが好きなら二度とこんなことすんな」
と、冷たくいい放った。
「かおる、大丈夫?」
「う、うん…………」
「ごめん、俺のせいだ…」
そう言って強く私を抱き締めた。
きつくて、少し痛いけど嫌じゃない。
「ううん、一樹のせいじゃない。ていうか、むしろ助けてくれてありがとう。でもなんでここにいるって分かったの?」
「あーーー、えーっと……昨日あんなんだったから仲直りしたくて、かおるの後を追ったらこーなっちゃいました…」
なるほど………
「それでも、助けてくれてありがとう」
「おう。じゃ、俺らの家に帰ろうか」
俺らの家………。
自分の居場所が、大切なところが増えたようで自然と笑みがこぼれた。

