しばらく私は泣いた。
一樹は私が泣き止むまでずっと私の手を握ってくれていた。
暖かくて、一樹の手が思った以上に大きくて、凄く心地よかった。
｢何があったか、何で泣いたのか教えて」
一樹の声はいつになく強い。
……………あんだけ泣いたんだからしょうがないか……。
｢…………………一樹には関係ないから」
｢……は？何それ。あんだけ泣いておいて今更関係ないとか言うなよ」
｢……………………。」
ぐうの音も出ない。
｢それとも、俺には言えない？」
関係無いなんてウソ。
言えないなんてウソ。
でも、私は小さくうなずくことしか出来ない。
そうしないとあの人はあなたに何をするか分からないから。
一樹を巻き込みたくはない。
