重たくて冷たいドアを開ける。 いつもは凄く暖かいのに。 「あ、かおる。おかえり」 出迎えてくれた一樹はいつも通りとても優しく笑った。 何で………何でそんなに優しく笑うの……? 「……た、ただいま」 大丈夫、私はちゃんと笑えてる。 ちゃんと話せてる。 心配なんてかけたくない。 だから…………………………………… 「えっかおる?!何で泣いてんの?!」 私…………、泣いてるの? あー、何でこんなときなに涙なんて出るの… あんたが、一樹が優しいせいだ。