「と、とにかくみんなには秘密で!」
「了解ー」
今の少しの間一緒にいて分かったことなんだけど、進藤君はかなり優しくて甘い。
女の子馴れしてんのかな?
「進藤君って家事できる?」
「うーん、料理以外は人並みに…ーあとさ、進藤君ってのやめろよ。普通に一樹(かずき)って呼んで?」
…ほらね、こーゆーとこ。
そんな顔で見つめられたら断らずにはいられないでしょ。
なんというか、すごく母性本能をくすぐられる気がする。
「分かった、一樹君。じゃあ私のこともかおるって呼んでね。あと、料理は私がするから掃除とか洗濯とかは分担してもらっていいかな?」
ーーーー………えっ何?
一樹君が急に黙ってこっちを見た。
というか、怒った?
わけも分からないまま驚いていると、
「……………俺、一樹君じゃなて、一樹がいい」
なんて言った。
は、はぶてた顔が殺人級にかわいい!
不謹慎かもしれないけど!
「~~っ!か、一樹」
「うん、ありがとかおる」
そう言って一樹はすごく柔らかい笑顔で微笑んだ。
でも、男子を苗字じゃなくて名前で呼ぶことってなかなかないからかなり恥ずかしい!
てかなにこれ!
超照れる!!