冷たいあたしの王子様




その時、瞬くんはあたしのカバンを取って持ってくれて。



あたしと一緒に走ってくれている…



なんなの?



どうして、そんなにカッコイイの?



ギリギリ、バスには間に合って、急いでバスに乗り込もうとする。




「陽葵、これ。」



「…えっ?」



「これ。」



「あ、ありがとう……またねっ。バイバイ!」



「ん。」




瞬くんが……名前を呼んでくれた。



あたしの名前を、あの瞬くんの声で、確かに「陽葵」って呼んでくれた…!!



瞬くんからカバンを受け取ると、瞬くんがいる側の席に座って、瞬くんに一生懸命手を振る。



バスが出発してしまう…



その時、瞬くんが右手をあげて、あたしに手を振ってくれたんだ。



一瞬、時が止まったように感じた…ーー



でも現実に戻されて、バスはどんどん前に進んで行く。



瞬くんは……



あたしのことどう思ってるんだろう。



今日、初めて陽葵って名前で呼んでくれて。



手まで振ってくれて。



そもそもバス停まで送ってくれて、毎日屋上で一緒に過ごしてくれて。



あたしは〝 好き 〟が募っていくばかりだけど…



瞬くんはどう思っているの?



………それが聞きたい。



まあ、あたしのことだから怖くてなかなか聞けないんだろうけどねっ!