冷たいあたしの王子様




な…ないの!?



瞬くんが猫ちゃんに名前つけていたら、可愛いな…なんて思ったのに。




「ど、どうして?」



「名前なんか付けると、居なくなったら寂しいだろ。」



「え?」




瞬くんが、フッと悲しそうな目をしたから思わず聞き返してしまった。



あ…これ、「え?」なんて聞き返しちゃいけないことだったら…



どうしよう。




「昔、猫飼ってたんだよ。ちっちぇー時に拾って。」




いつも自分から話を始めない瞬くんが、話し始めてくれた。



これも大きな進歩だ…なんて思ってしまう。




「でも、大きくなって年取った時。突然いなくなったんだよ。もうあの時みたいな思い、したくねーし。」



「そ、そうだったんだ…」




猫は自分が死ぬ前になると、飼い主の前からいなくなるっていうもんね。



名前をつけたら愛着が湧いちゃって、離れた時に辛いからかな?



多分、そうなんだよね。