「あれぇ?もしかしてラブラブ?」

深月の冷やかしに、私の顔は意味もなく熱くなる。

「そんなんじゃないから…‼︎家が3軒隣で、通り道なだけ!からかわないでよ!」

「あはは。ごめんごめん。ムキにならないの(笑)。」

両手を合わせて可愛く謝る深月は、ホントに可愛くて…少し羨ましかった。

今の私は、前の私よりはマシなんだろうけど、それでもやっぱり深月には敵わないと思うから。

深月の事は大好きだから、嫉妬のそれとは違って単純に羨ましく思うんだ。

「てか結愛、声おかしくない?昨日唄いすぎたとか?」

「まさかー。唄い慣れてなさすぎて、ソッコー喉がガサガサになった感じだよ。」

昨日はあの後何曲か唄ったけど…正確には唄わされたんだけど……喉も使わないと使えなくなるのかな、なんて事を感じた。

「それより私は、今日のマラソン大会が嫌で嫌で仕方ないよ。」

「あたしもー。この寒い日にマラソンとかありえないよね。」

ホント深月の言う通り、この寒い日にありえないーーー私からすれば、薄着の陵もありえないけど。