私は基本、男子に免疫がない。

そのせいで、小さなことにもドキドキしてしまうんだろうな。

「変なヤツ。あ、そう言えばさー、明後日だろ?誕生日。」

「え…?」

「だから誕生日。なんか欲しいものあるか?」

「……。」

寒空の下、私は相変わらず薄着の陵を見たまま 、言葉が出なかった。

前に思った事が、本当になろうとしている。

「なんもねーなら別にいいんだけどさ。」

陵は、よく晴れた空を見上げていた。

「え、あ、か…考えとく。」

「マジかー。明後日なんだから早く決めろよ。」

「だって陵が急に言うからでしょ⁈」

「結愛ーっ!笹野くんも、おはよ!」

振り返ると、深月が白い息を吐きながらこちらに走ってくるのが見えた。

「おはよう深月。」

「今朝も寒すぎるね〜。てか今日早くない?」

「そうかも。」

「結愛が遅いからオレが迎えに行ってやってんだよ。」