結婚の約束をしよう

このクセ毛のせいで、髪の毛を乾かすのに人一倍時間がかかる。

自分の部屋で心置きなく出来るようにと、去年の誕生日にドレッサーを買ってもらった。

面倒だけど、今ちゃんとしておかないと明日の朝が大変だ。

「……。」

受験勉強も進めていかないと、ホントに志望校を下げなきゃいけなくなったら大変だ。

あぁ…私って大変な事だらけじゃん。

時間が経つにつれて星を増やしていく空を、見ているヒマもない…。


陵……まさか同じ学校に通うことになるなんて。

幼い頃の記憶しかない私は、今の陵の顔が想像できないでいた。

いつでも元気いっぱいで、やんちゃだった陵。

「ふふ…っ。」

少しは、落ち着いたのかな。

再会が、少しずつ楽しみになってきた。


「お姉ちゃーん、ドライヤーまだぁ?」

ドアの向こうから、智沙の催促する声が聞こえてきた。

「ごめん、もーすぐだから!」

現実に戻された私は、急いで髪を整えたーーー。