自信がないから、憧れの石崎先輩のことも、見てるだけ…。

中学の時はバレー部のキャプテンだった石崎先輩…背が高くてイケメンで頭も良くて、文句なしの人。

高校生になった今でもバレーボールを続けているかはわからないけど、たまに駅の近くですれ違う先輩は、相変わらずカッコ良くて見惚れてしまう。

でも、見てるだけ…。

情けない、これが私。


「智沙ー、お風呂いいよ。」

「あー、うん。」

まだドラマに夢中の智沙から、とりあえずの返事だけが返ってきた。

「…。」

智沙は明るく活発で、私よりスタイルなんかも良かったり、羨ましいと思うことも少なくない。

私はそんな智沙をチラリと見てから、2階の部屋に向かった。

ドレッサーの前に座り、自分の顔とにらめっこする瞬間が、キライ。

でも、しっかりとブローしないとクセでうねってしまう…そんな私の髪の毛にドライヤーを当てる。