結婚の約束をしよう

「結愛、今のは……。」

「…うん。うん、あ、そういう意味?」

授業中、陵は先生の言った事を解りやすく噛み砕いて説明してくれる。

それが本当に解りやすくて、陵に将来学校の先生になる事を勧めたい程だった。

私は陵に教科書を見せているから、机はピッタリとくっついていて、勉強を教わっていても違和感がないのがありがたかった。

それでもやっぱり、極限まで声のトーンを落とすのが私。

「これは?この公式だよね?」

私は教科書を指差して、陵に聞いた。

「違うし。こっちだから。」

陵が、正しい公式を指差す。

その指が、私の指に…微かに触れた。

「……。」

指先から伝わるーーー刺激。

何だろう…この、ドキドキにも似た気持ちは。

「結愛、聞いてるか?」

「え?あっ、うん‼︎」

「そこ2人、静かに。」

すっとんきょうな声をあげてしまった私のせいで、陵まで注意されてしまった。