結婚の約束をしよう

「わ、わかった。行くよ。」

ここまできたら、大人しく白旗を振るしかなかった。

「よし、決まりだな。じゃぁオレ帰るわ。」

上機嫌で帰っていく陵を見送って、私はふうっと息を吐いた。

陵が居ると、それだけで大騒ぎだわ…。


「それにしてもお姉ちゃん、ホント変わったよねー。髪の毛いい感じだよ。」

「そ、そぉ?」

改めて言われて、また照れ臭くなる。

「そういえば雰囲気変わったなぁ。美容院にでも行ったのか?」

「お父さん違うよ。お姉ちゃん、陵くんにやってもらったんだって。」

「陵くんが?すごいなぁ。」

何だか、自分が褒められたみたいな気分になって、私は嬉しくなった。

「私、少し勉強してくる。」

「そお、頑張ってね。」

お母さんの言葉を背中に受けて、私は自分の部屋に戻った。

ドレッサーの前に座り、鏡に映る自分の髪を触る。

「えへへ。」

単純に、嬉しかった。