結婚の約束をしよう

「ホントに大丈夫?」

「まかせとけって。」

「もし失敗したらどーすんの?」

あからさまに不安げな表情で、陵の顔を見上げた。

「そんな顔するなって。大丈夫だから。」

「…わかった。」

失敗したら美容院に行けばいいーーー私は観念して、陵に任せることにした。

陵に髪を触られることには少し慣れてきて、緊張しながらも心臓が飛び出そうなくらいドキドキすることはなかった。

過程を見ることに不安を感じた私は、今度は目を閉じて、仕上がりを待つ。

ハサミが、チョキチョキと軽快な音を立てる。

「ねぇ、ホントに大丈夫?結構切ってない?」

「そんなに切ってないって。心配なら目ぇ開ければいいじゃん。」

「い…いい。終わったら教えて。」

「もう終わるぞ。整えてるだけだからな。」

「…。」


カチャンと音がして、陵がハサミを置いたことがわかったけど、少しの間迷ってから、私はこわごわ目を開けた。

「どうだ?」