「いいでしょ、私の自由なんだから。」

さっきの恥ずかしさを引きずっていた私は、陵の顔をきちんと見れていなかった。

「まぁいいや、オレ帰るわ。また明日な!」

「え…ちょ…明日は学校休み…。」

私の返事も聞かないで、陵は行ってしまった。

「笹野くんって、初日にしてインパクト大だね…。」

「はは…。」

深月の言葉に、愛想笑いしかできなかった。


部活中は鉛筆片手に雑談で終わり、すっかり暗くなった道を深月と歩く。

「寒いー、結愛〜、凍っちゃうよぉ。」

「うん、ヤバイね。マフラーしてこれば良かったよ。」

冬の風は、身体に突き刺さるーーー言い方悪いけど凶器みたいだ。

帰り道の途中にある駅は照明が明るく、いくらか気持ちをホッとさせる。

「じゃぁね、結愛。」

「うん。バイバイ深月。」

駅から先は帰り道が違うため、深月とはここで別々になる。


ーーーあ…。

今日はついてる。