「やめてよ、いつの話をしてんのよ。」

私はとにかく恥ずかしくて、真っ赤になっているだろう顔を、今すぐ隠したい気持ちでいっぱいだった。

「あ?いつだっけ?5歳?6歳か?」

目線を上に向け、考えだす陵。

「そんな昔の話、無効に決まってるじゃない。」

「そうか?それでも食え!もっと太れよな。そうだ、オレのグリンピースやるよ。」

「好き嫌いはダメなんじゃなかったの?」

私の突っ込みに、クラスのみんなが笑う。

「オレはグリンピース以外は食えるからいいんだよ。」

「笹野、戻って来て早々フラれてんのかぁ?てかグリンピース食えよ(笑)。」

「うるせーよ。」

男子たちにいじられ始めた陵は、それでも楽しそうだった。

「竹田さんって大きい声もちゃんと出せるんじゃん。」

「意外と明るい子なのかもね。」

女子たちは、私についてヒソヒソ話。

普段はおとなしい私だからね、無理もない。


それにしても…。

「……。」