結婚の約束をしよう

だって、陵のお父さんが、嘘を言っているようには聞こえなかったから。

スマホを耳に当てたまま、その指先から……私が強張っていく。

言葉が……言いたい事は山ほどある、聞きたいことも…それなのに私の口は、言葉を発せられないでいた。


「結愛ちゃんは、離れている分…信じられないかもしれないな。おじさんも、これが夢ならと何度も……。」

おじさんは言葉を詰まらせ、少しの沈黙が流れた。

「…。」

「すまない…。……今日、通夜があるんだ。だからこうして…陵のスマホに登録されているみんなに、連絡をしているところなんだよ。」


通夜ーーーそのふた文字に、強張った身体が冷たくなっていきそうだった。


「愛知県からじゃ、結愛ちゃんはちょっと遠いね。」

「あ、の……。」

震える口が、やっと音を発した。

「なんだい…?」

「そこは…どこなんですか?」

「福岡県だよ。陵から聞いていなかったかな。」