結婚の約束をしよう

陵の全てが、こんなにも鮮明なのにーーー…。

「あ…。」

着替えようと思って開けたクローゼットの中には、夢の中で陵が選んでくれた服が一式入っていた。

ほらね、色々とリアルすぎるんだよ…。

でも、この服が何で私のクローゼットの中にあるのか……そんな事を聞いたところで、私の期待する答えが返ってくる事はないのだろう。

私の記憶は、現実のものとは違うのだからーーー。

てか逆に、私がここ1週間の記憶をなくしてしまったのかもしれない…私の記憶だけが合わないんだから、その可能性もあるという事だよね。

「あ、お姉ちゃんおはよー。今日あたしもお買い物付き合うよ!」

リビングでは、智沙が朝ごはんを食べていた。

「うん。お父さんは?」

「あたしが起きた時は、もう居なかったけど?」

「今日はゴルフで朝早かったから。3人で豪華なランチでもしようよ。お父さんには内緒ね(笑)。」

だから練習のために先週打ちっ放しに行ってたのかな。

「わーいっ!先週打ちっ放しに行ってたから、そろそろとは思ってたんだよね、あたし。お父さんってゴルフ近くなると、絶対打ちっ放しに行くんだもん。」