結婚の約束をしよう

「この問題は、○○の公式に当てはめてーーー…。」


すご…。

スラスラ答えてる陵に、思わず見惚れてしまった私。

他のみんなの視線も、陵に集中していた。

「ーーーはい、正解。笹野くんは前の学校でもちゃんと勉強していたみたいね。」

イキナリ目立っちゃったもんだから、教室内がどよめきだす。

それを気にも留めない様子の陵は、私に向かってVサインをしている。

「前の学校の方が勉強進んでたからな。オレのせいで結愛が当てられちゃったから、そのお詫び。悪かったな。」

「…。」

陵が、そんなことを気にしてくれたなんて……なんか、なんていうか、成長したなぁ。

「はい、じゃあ問2をーーー。」

答え合わせが進んでいくーーー半分くらいわかんなかったから、ちゃんと聞かなきゃ。

「結愛。」

陵が、小声で話しかけてくる。

「…。」

「結愛ってば。」

「…なに?」

陵の相手なんかしてるヒマないのに。