結婚の約束をしよう

「え…あ……。」

「やっぱり結愛だ!まさか同じクラスになるなんてな。久しぶりじゃん!」

「何だおまえら知り合いか。じゃあ笹野の席は竹田の隣にするか。」

「結愛、よろしくな!」

「…う、うん。」

キョドる私なんかお構いなしに話は進み、私は返事をすることしかできなかった。

そして、私の隣にガタガタと移動する陵の机。

私の身体も、ガタガタと音を立てているようで、緊張してきた。

「結愛、ただいまぁ。」

席についた陵は、ニィっと笑って言ったんだ。

「お、お帰り……。」

久しぶりすぎて、陵みたいに上手く笑えないよ…。

加えて、クラスのみんなの視線の先にいるのだから。

でも、すっかり男の顔になった陵だけど、やんちゃな笑顔はそのままだった。

私は、どうかな…。

陵がすぐ気付いたくらいだから、あんまり変わってないのかもな…。

陵の顔はキリっと整っているけれど、私はお世辞にもかわいいなんて言えないと思うから。