これは100年以上前の夏の夜、とある村で起きた話。

一夜にしてその村の人々が謎の失踪を遂げたのだ。

ちいさな子供からお年寄りまで年齢は様々。

もちろん全員ではないが、換算すれば1家に1人という計算で失踪を遂げている。

今でも行方不明のまま、何の情報もつかめていない。

警察も介入したが、警官数名が謎の怪我を負い、数名が町の住民のように謎の失踪を遂げ帰ってこなくなった。

これに恐れた警察はこの事件を迷宮入りとし、そそくさと立ち去っていった。

そして最近、謎の失踪を遂げた人々の死体が見つかった。

不思議なことに腐敗した状態の者は一人もいなかった。

失踪を遂げてから100年以上たっているというのに、だ。

まるで今先程まで生きていたかのような状態なのである。

眠るように亡くなっている者、木にもたれかかった姿勢で亡くなっている者。なくなりかたは様々だった。

しかし、どの死体にも共通しているものが2つあった。

それは猫のような金色の瞳を持ち、携帯を片手に亡くなっているのだ。携帯の中には…………………………


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