「だろう?気に入ってくれてよかった。
他の花もぜんぶ試してごらん」

わたしは夢中で他の種類の花も吸ってみる。

どれもちょっとずつ味がちがって面白い。

「ここの庭にはねぇ、蜜を吸える花ばかりを
集めているんだよ。蓮華草、藪椿、ツツジに
スイカズラ、さつきにおしろいばな。
おじいちゃんが子どもの頃は、よくみんなで
吸って遊んでいたものさ」

「へえー、そうなんだ!楽しそう」

そういえば、おじいちゃんの子どものころの

話なんてはじめてきいた気がする。

ずっと一緒に暮らしてきたのに、わたしは

あまりおじいちゃんのことを知らない。