我にかえって、少し恥ずかしくなる。 歌ってる間はいいんだけどね。 妖怪たちは、みんなスッとあたりに 溶け込むようにいなくなっていく。 「奏は、本当に綺麗な声をしているねぇ。 からだのすみずみまで、しみわたって いくようだ。なぁ、もち太」 「ふにゃあ。」 もち太はいつのまにか、 わたしの足の上に座っていた。 おじいちゃんはまた、悲しそうに笑う。 なんで…?