妖怪は、こっちが相手にしなければ しつこくつきまとうことはないからだ。 …ずいぶん長い間手を合わせてたみたいだ。 足しびれた。 「ほら、あんこにきなこにずんだ、 火消すからそこどいて」 名前を呼ばれた小鬼たちは、あわてて ぱたぱたと廊下のほうに駆けていった。 うん、かわいい。 「おや奏、帰ってきてたのかい! おかえりー!」 おじいちゃんが庭からひょっこり 顔をのぞかせる。